仙腸関節メソッド
仙腸関節メソッドって難しいですか?
仙腸関節メソッドとは『理にかなった体の使い方』の解説書だと思ってください。
登山をしていると、ほとんどの人が膝痛を経験します。
歩きにくい登山道を登ったり下ったりですから、平地と同じように歩いていると、筋肉の疲労も激しく、膝への負担も半端ありません。
膝痛になるのは、むしろ時間の問題だと思っています。
登山では、筋肉に頼りすぎて、力任せに歩かないようにしましょう。
むしろ頑張って歩く必要はありません。
力を抜いて省エネで歩くコツ、があります。
それが仙腸関節メソッドです。
ムリに筋肉を鍛える必要はありません。
近くのスーパーに歩いて買い物に行って、帰ってくるくらいの筋力と体力があれば、ほとんどの登山は大丈夫だと思います。
その省エネで登山をするためには、意識することが二つあります。
- 体の重心がどこにあるのか
- 体の軸を作る
では、この二つから解説していきます。
筋肉は必ず疲労するが、骨格は疲労しない
ひとまず・・・
筋肉、の存在を忘れてください。
体力、という言葉も忘れましょう。
疲労しない筋肉はありません。
筋肉を使い続けていると、誰でも必ず疲労します。
そんな筋肉に頼りすぎて登山をしていると、間違いなく膝痛がおこります。
逆に、疲労しないのが骨格です。
骨格のフレームをうまく使って歩くコツを身につければ、省エネで登山ができるので、
膝痛も起こりにくくなります。
歩く前に安定して立てること
① 重心の位置と体の軸
- 二本の足で立つ
- 二本の足で歩く
- そして縦長(身長)
私たち人間の体はどう見てもバランスが悪く、安定という意味では弱点が多いですね。その弱点を補うには、『重心の位置』『体の軸』を意識する必要があります!
動作の中で体重の最も集中している、体の重さのバランスがとられている点。
重心に関しては『骨盤内にある』ということだけ押さえれば大丈夫です。
体の動きを安定させる、架空の直線。 もともと体に軸があるわけではなく、
体を安定させるためには軸を作る必要があります。
その軸の作り方については、あとで触れていきます。
② 足の裏で地面からのエネルギーを受け取る
地球上に住んでいる私たちは、常に重力を受けています。
立っていることは、すなわち体重で地面を押していることですが、
同じ力で地面が押し返している、ことに気づきます。
これを『地面反力』といいます。
地面と接しているのは『足の裏』だけです。
この足の裏で地面反力を感じて、地面からのエネルギーを受け取ります。
ここ、さらっと説明していますが、とても重要なポイントなんです!
普通のアスリートか、トップアスリートかの違いでもあります。
勿論、トップアスリートは習わなくても本能で出来る人たちですけど(笑)
重力で地面を押しているのですが、同じ力で地面に押し返されています。
このことを『地面反力』といいます。
足の裏で、地面反力を感じる。
足の裏で、地面からのエネルギーを受けとって歩いている。
体の軸で安定して立つ(骨格のフレームで)
① 骨格を揃えて軸を作るには5つの基点がある
② 上半身と下半身の繋ぎ目は仙腸関節(骨盤)
1⃣
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4⃣
仙腸関節は、骨盤にある関節です。
仙腸関節で、上半身と下半身に分かれます。
上半身の体重を、この仙腸関節で受け止める、感覚で立ってください。
仙腸関節の幅が、すなわち体の軸の幅、となります。
仙腸関節の幅で、足の裏から頭までの長い筒、をイメージしてください。
『足の裏』『膝』『骨盤』『みぞおち』『首の付け根』が揃います。
ここまでのポイントを整理しましょう
5つの基点の、足の裏、膝、骨盤、みぞおち、首の付け根で、体の軸を作る。
足の裏からの地面反力を感じて、重心と体の軸で安定して立てたら、
骨格のフレームで立てているので、力が抜けてだらりと立てます。
筋肉は、バランスをとっているだけです。
仙腸関節メソッド(骨盤始動で歩くこと)
まず先に、このテニスの画像を見てください。
重心の位置と軸を作って、体を安定させていますし、地面反力で、パワーを生み出しています。
骨格のフレームで安定しているので、どこにも無駄な力みがありません。
さあ、ここからなんですが、注目してもらいたいのは・・・
先に骨盤を始動させて、そこから
わずかに遅れて、腕とラケットが振られている ことに、注目してください!
歩くときのメインエンジンも骨盤(仙腸関節)
テニスでは、骨盤を始動して、ラケットが振られていました。
登山での歩き方も同じで、骨盤を始動させて(前後)足を出します。
そうすることによって、
膝痛の原因になる、特定のアウターの疲労が減ります。
また、パワーも生まれ、よろけてバランスを崩したりも少なくなります。
仙腸関節メソッドでは、
- 膝を痛める
- 筋肉の疲労が激しい
とならないように、
ほんのわずか骨盤を先行させ、
振り子のように足を出します。
お気づきだと思いますが、このメソッドは登山での歩き方はもちろん、
あらゆるスポーツのパフォーマンスアップの基本になります。
また日常生活における、立ちあがる・歩く・しゃがむなどの、動作にも役立つ、理にかなった動きのメソッドでもあります。
皆さんの、登山での膝痛対策のお役に立てることを願っています。